1. 系譜
DAブラックホールは同社の「ダブルライン120」から派生したソフトウェアです。同社のOS「DACAS」上で動作し、以後「ブラックホール」「ブラックホール1996」「DAブラックホール」の3バージョンを、株式会社ダイアモンドアプリコット(高知県高知市札の辻)が開発とサポートを行っています。※
1997年に発売された「DAブラックホール」は同社にとってWindowsソフトウェアの習作で、派生品に同社の「ベルパー」「プロキシランチャー」があります。
1998年の「DAブラックホール 1.0」は「ダイアモンドアプリコット電話研究所」をクレジットし、販売・サポートともにダイアモンドアプリコット電話研究所(埼玉県草加市)に移管されています。
DAブラックホール 1.x系は、この1998年版からのツリーだといえます。
DAブラックホール 1.x系ではかならずベースキットに加えてオプションキットがあります。
ベースキットはISDN等の固定回線用で、オプションキットはそれを無線/携帯端末に対応させるプラグインソフトです。ベースキットはマイナーバージョン(1.x.yのえっくす部分)ごとに3~4月に発売。同年11月にオプションキットが発売される順序です。
最初のオプションキットは1998年の「DAブラックホール1.0 HYPER」のNTTドコモ対応キットです。着信メロディブームのきっかけのひとつになった同社の「オルゴトロン98」がPシリーズに対応したついでに作ったと発表されましたが、同梱品に台湾製の独自ケーブルを用いているので実際の開発はもうすこし前からのようです。(DA製のハードウェアやプレスは台湾製が多い)
2003年の「DAブラックホールSIP2.0」と、2005年の「DAブラックホール1.4」は異色です。SIP2.0は、1.3ドコモPHSパックをSIP(Session
Initiation Protocol)用エンジンに焼き戻したベースキットです。
2002年のVoIP対応「DAブラックホール VoIP」のロケーションテストでトラブルが多く、一方で開発のホットツリーで実績のあった1.3ドコモPHSパックを流用して急造したSIP専用版の評価が高く、同社の開発ブランチがSIP2.0(VoIPを1.0として)になりました。※SIP1.0はありません。
SIP2.0に開発ツリーが移動した影響で、メインツリーの1.3系列の整合がとれなくなり、SIP2.0から分岐する格好で、2005年に「DAブラックホール1.4」が発売されました。
その1.4も1.5へのつなぎのバージョンで維持期間は1年程と短命でした。
「DAブラックホール1.6」はオプションキットのない例外で、DAブラックホール1.5PHSパックがそのままベースキットになったものがDAブラックホール1.6です。
「DAブラックホール1.7」から Elements として各キャリア端末ごとにオプションが購入できるようになり、もとのかたちに戻りました。