DA BLACK HOLE SUPER TECHNIC 奥義大全

Dチャネルってなんですか?

Q.ソナーモードの「Dチャネル」ってなんですか?

 ノーマルソナーや2Bはわかるのですが、「Dチャネル」がよくわかりません。
取扱説明書では、機種によって挙動が変わるというようなことを書かれていますが、ならばもっと別の名称のほうがよろしいのではないでしょうか?


A. Dチャネルの名称は「ブラックホール」からの継承です

初代ブラックホール(1996)までは、Dチャネルソナーがメインでした。

 現在のDAブラックホールは、ISDN用TA(ターミナルアダプタ)を制御することで動作します。「PHS」もTAの一種ですから、そのほとんどで動作します。
しかし、以前はそうではありませんでた。

 弊社は 1994年ダブルライン120(¥198,000)というISDNリダイヤラーを発売したことがあるのですが、セールス的には大失敗でした。価格というより、製品の特性が時期尚早すぎましたね。
生産300台中・半分もさばけなかったのですから、会社にとっては無視できない損失です。

 ただ、収穫だったのは、コールセンターの方から「ダブルライン120」と「桐(データベース)」やSYLK形式と連動できないか、というオーダーが相次いだことでした。
つまり「ナンバークリーニング」・・・いまで言うアウトバウンド支援ですね。

 しかし、ハードウェアの販売には懲りてましたので、そのオーダーには市販品を採用することにしたのです。
1994年当時は、PCに直接つなげるTAのことを「ISDNモデム」「デジタル・モデム」と呼んでいました。
 代表的な製品は、NTT INSメイトPL-1 で、これが最も低価格だったのですが それでも ¥135,000 もしました。
このTAは、当時主流だった専用線用の規格 X.25 を、INS-P・すなわちDチャネルに乗せる機能を持っており、これがこの製品自体の“戦略”でした。過渡期用の製品なんですね。Bチャネルはおまけ機能だったのです。シリアルポートにつなげられる製品は、私の知る限りでは存在しませんでした。
 ただ、この製品については「パケット交換専用モデム」ですので、今と比較すれば、用途の狭さや回答精度が非常に悪く、私個人としては不満でした。形式上、受注生産として先方さんから仕様書が出ているから許されていただけで、到底、市販はできませんでした。
(その後、INSメイトV-2Sなどの回線交換デジタルモデムの登場で用途や精度は格段に上がりましたがそれは終盤の話です)

 いずれにせよ、Dチャネルパケット交換 が、DAブラックホールの源流なのです。

 1995年の中ごろに NECから Aterm IT30/35 (¥79,800~84,800)が発売され、はじめて「シリアル接続」が可能になり、一般消費者のテリトリーにISDNが入ってきました。
ここから 旧製品のラッピングを前提として開発が始まったのが、初代「ブラックホール」です。
 この時点でも、アウトバウンド支援ソフトを基にして設計されていたので、デザインも「ISDNモデム」を基本としていました。
現在のDAブラックホールのソナーデザインは、ノーマル→2B→Dチャネル・・・ですが、当時は、Dチャネル→Bチャネル と、順序が逆転していたのです(笑)

 ただ、リリースした1996年時点では INS-P・Dチャネルパケット交換に対応したTAは少なくなっていました。
 そこで、ちょうどブームの兆しにあった製品・NEC AtermIT45の「情報提供源」取得機能を取り込んで、回線解析ソフトウェア「DAブラックホール」の開発がはじまり、 翌年(1997)に一般向けにリリースされました。

このとき、Dチャネルについてどうするか・・・という問題が生じました。このエディションでは、Dチャネルパケット交換への単独発呼はできなかったためです。
 しかし、ユーザー情報欄(Dチャネル・LAPDに128オクテットのメッセージを乗せる機能で、後にUUIとかUUIメールと呼ばれる機能です)が、PHSとの間で共有されるという話があり、PHS調査用にこの欄を使用することにしました。
 実際には、NEC Aterm IT65Proから PIAFS接続が可能になり、それを受け DAブラックホールもPIAFSソナーが搭載されたのですが、「UUIでの反応を知りたい(UUIメッセージ対応TAの判別・PBXの切り分け)という需要があるので、現在でも残存することになったわけです。
LAPDの情報ですので、Dチャネルという名称でも、現時点では特に問題ない・・・というわけですね。

山崎はるか氏(2006/11)
転載許可取得済

注)文頭のあいさつや署名欄など、当項目に関係のない部分は省略させていただきました
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