DA BLACK HOLE SUPER TECHNIC 奥義大全

サポートってどんな人たち?


DAの結城さん(テクニカルサポートマネージャー)に、サポートの使い方のコツなどを聞きました。仕事でお目にかかれたので当サイトに関係したところをメモ。 (公開許可を得ています)

2015/2/21(敬称略)


刀根(筆者): 質問の回答に目標時間はあるのですか?

結城: 午前(9:00~12:00)と午後(12:00~18:00)の二部に分かれてて、午前に受けた問い合わせは当日の午後に。
午後に受けた問い合わせは翌日の午前に、それぞれ回答を送信する原則です。

刀根: DAのサポートは担当者を指名できますが、誰が人気とかあるのですか?

結城: ほとんどありません。メールのときはペアライティングといって、ひとつの回答をふたりで書くからだと思います。担当者名=主筆ですが、複数で書くので品質・文体が統一されます。誰に質問してもほぼ同じになりますから、担当者を指名するメリットは「前回の対応を覚えてるかもしれない」という程度です。

刀根: ユーザーのレーティング(ランク分け)はありますか?

結城: ランク分けはないですが、CIS(筆者※Customer Interaction Software 顧客対応ソフト)に
「特性」の項目があります。
 回答に期待されている文字量は、その方の質問の文字量に等しいことが多いと申しますか…
1~2行で細かくキャッチボールで質問したい方に、30行ぐらいの回答をしても役に立ててもらえない可能性がありますよね。
 また、まめ知識のような余分な情報を添えてしまうと、当初の質問から遠ざかっていってしまう方とか。こちらがよかれと思ったことがあだになってるんですね。
 そういったユーザーの特性が別の担当者にも引き継がれるように、特性の項目があります。「私はこんなタイプです」とかおっしゃっていただくと書きますよ。「PCの操作自体に緊張している方」には、なるべく条件分岐を起こさない操作フローを案内することで、リラックスしていただくなど、お客様に合った特性はそれぞれです。

刀根: おなじような質問なのに、インシデントになってしまうときと、そうでないときがありますが、切り分けのポイントってどう考えればいいですか?

結城: 最初はこうおっしゃればいいですよ。
『○○したいけど、取扱説明書のどこに載っていますか?』
取扱説明書の場所を聞くのはインシデントじゃないのです。質問という行為は正常な系だからです。
正常系ならほとんどインシデントになりません。
 一方「○○にならずに困っています、どうすればいいですか?」って尋ねられた場合は、取扱説明書は読んだが解決しなかった、つまり不具合の発生など異常系にのっている可能性があります。調査が必要な状況でありインシデントになります。 結果として取扱説明書に載っていることでも、インシデントに扱われることがあるのはそういった状況です。
ただあまり「取扱説明書のどこですか」ばっかりしてると、先に述べた「特性」の項目がへんなことになるので乱用はしないでくださいね。本当に読んで、みつからないときにしてくだい(笑)

刀根: 電話サポートとメールのサポートで担当者が違いますけどなぜですか?

結城: メールのサポートは、主に難聴者のスタッフが担当しているので、電話を使うことができないんです。

- え?

結城: といいますかフロントになっているお客様相談室がそうなんです。ちょっとはできる者もいますが、お客様相談室のスタッフは原則電話サポートできません。たまに「話中」の原因の問い合わせみたいな、音が重要な問い合わせがあるので、そんなときは健聴者が確かめますけどね。

- えええ? 驚きました。CSR素晴らしいですね

結城: そういうことではなく、ひごろ電話を使わない人が電話研究所でサポートしたほうが客観的で、よくわかっていいだろうということだったそうです。10年以上になりますが、社会貢献といわれるとそういうことじゃないですね。

刀根: サポートの方って電話回線に詳しいですか?

結城: 普通の人よりはわかってると思いますが、スペシャリストではないですね。CIS端末にユーザーの質問を入力すると答えが出る仕組みなので、電話回線に詳しくなくてもサポートができます。DA電話研究所だけでなく、DA本社の製品サポート業務も行っているので、電話関係に特化することもないんです。
 専門的なことについては、パーソナルサポートの技術担当が対応しています。こちらはスペシャリストです。

刀根: ユーザーに協力してほしいことはありますか?

結城: ユーザー登録しているメールアドレスで問い合わせてほしいですね。
 よくあるのは会社で買ったソフトを、社員の方が個別に問い合わせてこられるケース。 インシデントに起こしてサポートを使うのは「会社の権利」であって、決裁権のない方が勝手に使うともめる場合もあるはずなんです。その方が権限のある方かどうかわからないので、ユーザー登録にないメールアドレスには深いサポートができません。
CIS(前述)の都合で、メールアドレスの登録がないと、サポートに必要になる情報も出ないですから。

刀根: DAのサポート指標に影響している外部のドキュメントはありますか?

結城: 主として ITIL V3 No.3サービスデザイン と No.5サービスオペレーションを援用しています。
他にもいくつかのスタンダードは取り入れてますが、あまり厳格に運用すると お客様の満足度よりスタッフの達成感を優先してしまう構造に傾くので、あくまで指標あるいは援用という程度です。

刀根: DAの技術の方やサポートの方と交流できる機会とかありますか?

結城: 東京・晴海で数年毎にデベロッパー向けのカンファレンスが開かれますから、そちらにいらしていただくのがいいと思います。個人の方でもエントリーできますし、何か買わなければいけないとか、売らなければいけないというものではなく、誰でも気軽に参加できます。サポートも数名出向きますし、質疑応答中でもフリーのときにでもお声をおかけください。
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- ありがとうございました

 

注)冒頭のあいさつなど、当項目に関係のない部分は省略させていただきました
この質疑応答は、ダイアモンドアプリコット社より公開の個別許諾を得ての掲載です。このページについて転載はご遠慮ください。

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